あらすじ
とあることをきっかけに、都会から少し離れた田舎で自給自足の生活を始めた森クマさん。田舎暮らしにも徐々に慣れ、余裕が出始めたころから少しずつカフェを始めました。コンセプトは「誰にも知られない森の中のカフェ」。「クマ牧場」と名付けられたカフェで、都心からやってくるお客さんを相手に幸せな時間を提供する森クマさん。今日はどんなお客さんがやってくるのでしょうか。
森クマさんのほどよい田舎くらし
都会から遠くも近くもない、とある山間のいなか町。
ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン。
長い時間をかけて、都会から電車がやってきました。
電車から降りてきたのは都内のウェブデザイン会社に勤めるリスさんでした。
「ふぅ~、思ったよりも遠かったなー」
リスさんはドングリ型の水筒を一口飲み、降りたホームで周りを見渡しながら大きく息を吸い込みました。
リスさんは、緑色のリュックをしっかり背負い、起伏のそれほど多くないトレッキングコースを歩き始めました。
「う~ん、マイナスイオンがたっぷりね!」
久しぶりの大自然に、リスさんはうれしくなりました。
しばらく歩くと、森の奥から「カツーン、カツーン」と音が聞こえます。
「あら、この音は何かしら?」
リスさんは音のなる方へ向かい歩いていきました。
少し歩くと、すぐ近くで音が鳴っているようです。
「カツーン、カツーン」
森の奥をのぞいてみると、赤い屋根のおうちがみえます。
「あのおうちは・・・」リスさんは赤い屋根のおうちに近づいていきました。
おやおや、森の奥の赤いおうちの前で、マキを割っている動物がいました。
「カツーン、カツーン」
「あれー、ひょっとして・・・」
「こんにちはー!」
リスさんは元気よく声を掛けました。
「はい、なんでしょうか?」
リスさんの声に気づき、森クマさんはマキ割りの手を止め、青いハンカチで汗を拭きながらリスさんの方へ向きました。
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