絵本のあらすじ
ライオンのサマンサはアーティストです。今日は自分の全身を使って作品作りに取り組みます。
いったいどんな作品になるのでしょうか。
本作品は音や動きを表現したオノマトペ絵本です。
絵本の見どころ
子供はお絵かきが大好きです。絵具やクレヨンなどで不器用な手先でとても面白い作品が仕上がっていきます。絵を描くことを通し、感受性や創造性を養っていけるのです。
そんなアートの力を知ってか知らずか、ライオンのサマンサ流の自己表現は、まさに全身を使ったもののようです。
絵具を両手でダイレクト塗り、そして両足で塗り、しっぽの先っぽのふさふさを使って自己の内面を描く姿は百獣の王に相応しい力強さを感じます。
大人になるにつれ、子供のころの感受性が徐々に薄れていってしまいますが、ライオンのサマンサが全身を使って絵を描く様子を見ていると、子供向け絵本であると同時に、大人にも読んでほしい絵本となっています。
出来上がったサマンサの作品もとても素敵で、自宅に飾りたくなりますね。
本編 「ライオン サマンサのなんでもアート」
ライオンのサマンサはアーティストです。絵を描いたり、粘土を使って自分を表現しています。
今日は全身を使って表現しようと思います。
サマンサはみどり、きいろ、あか、あおいペンキ缶を持ってきました。
「今日はどんな絵が描かれるのだろう」
どんな絵が描かれるかはサマンサ本人も分からないのです。
「はい、ざぶん」
サマンサは突然、緑色のペンキ缶にお手々を突っ込みました。
なぜそうするかって?
「サマンサの中の衝動がそうしろって言っているの」
「はい、ぺとん、ぺとん」
それからサマンサは肉球に着いた緑色のペンキをキャンパスにぺとん、ぺとんに打ち付けます。
「はい、ボチャン」
次にサマンサは、両足をペンキ缶に突っ込みました。
右脚を黄色に、左足を赤色に。
すっかり全身がペンキまみれ!
でも、サマンサはお構いなしで絵を描くことに夢中です。
テシテシ、テシテシ。
寝転がったサマンサはその足で、キャンパスに黄色と赤色を描きます。
あんよをバタバタさせて、テシテシ、テシテシ。
そして、まだ使っていないサマンサの大事な尻尾を、お気に入りの青色のペンキにぽとっと入れて・・・
ぽとっ。
あらあら、しっぽまでペンキだらけ!
さっ!さっ!
尻尾でキャンパスに絵を描きました。
まるで筆のような尻尾。
あたりはペンキまみれだけど、これもまた作品のようです。
「今日の絵は私の表現したいことがとても良く描けています。」
「次回は彫刻に挑戦したいわ!」
体全部を使って描いた絵の仕上がりに、サマンサはとても満足して今日も幸せな気分になりました。
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