あらすじ
ふとしたことから、会社の大事な資産を壊してしまったどうぶつ出版社CEOのレイモンド・ポティトゥ。その資産とは「絵本データ」。多くの絵本作家さんから提供いただいている絵本データはどうぶつ出版社CEOが管理する自宅NASサーバに直接保存することとなっていますが、どうやらCEOはそのデータを消してしまったようです。
やらかしたCEO|本編
ある日、CEOが忙しく過ごしていると、普段利用しているクラウドストレージから「容量がいっぱいなので、アカウントをアップグレードしてください」と連絡が来ました。
どうやらクラウドストレージの無料枠を使い切ったようです。
そこで、新たにNAS(Network Attached Storage = ネットワーク対応HDD)を導入することにしました。なぜなら、クラウドストレージは月額2,000円程度なので、一年間使うと24,000円かかります。
一方で、市販の自宅用NASはオンラインショップで買えば3TBが15,000円とかなりお得!
コスト意識の高いCEOは早速注文し、NASに直接データをアップロードしてもらうことにしました。
新しいガジェットを手に入れたCEOは大喜び!それはもう、毎日毎日、大事に手元に置いて、たいそうかわいがりました。
「わが社の大切なデータ~♪」
ガッコン、ガッコン。
ところがある日、NASをうっかり倒してしまいました。
アッ!バタン!
すると、NASからいつもと違う音が聞こえてきました。
「アッアッアイン‼アイン‼」
正面のランプも赤や緑、白に点滅し、パソコンから認識することが出来なくなっています。
様子がおかしいNASを見て、CEOは落ち着いた様子で修理を始めました。
何度か電源のプラグを抜いたり、差し直したりしました。
するとしまいには、NASは「ア”-」と言った切り、完全に起動しなくなりました。
動かなくなったNASを見て、洞察力の鋭いCEOは、すぐに故障の原因に気が付いたようです。
CEOはNASのカバーを開けると、中のハードディスクを取り出しました。
それから、あちこちいじりながら、原因を特定していきます。
経営者として人の上に立ち、様々な感情を垣間見てきたCEO。ハードディスクが寂しい思いをしているのかもしれないと、一緒に遊んであげることにしました。
CEOがハードディスクと仲良く遊ぶ光景は大変微笑ましいものです。
しばらくすると、絵本作家さんの大きな叫び声が聞こえました。
「ア”-‼データが消えたー!!!!!!」
CEOはハードディスクをガジガジとマッサージしている最中です。
NASには新作の絵本データが保存されていたようです。
「書きかけの『大きいネコさんのネコの育て方』、全45ページがぶっ飛んだー‼」と尋常ではない勢いで動揺しキレ散らかしています。
「だからクラウドにしろってあれほど言ったのに!」
ここにきて、ようやくCEOはやらかしてしまったことに気が付いたようです。
「えっ、どうすんの?」
しかしすでに遅く、CEOが遊んでいたハードディスクは完全に壊れてしまったようでした。
CEOはすっかり遊ぶことに夢中で、ハードディスクのデータのことなど忘れていたのです。
みんなから「データが消えたことについて、何か知っていますか?」と聞かれましたが、CEOは怖くて何も答えることが出来ませんでした。
みんなからは「CEO、やらかしましたよね?」や「絶対あやしい・・・」と言われてしまいました。
CEOは追いつめられると舌を引っ込めるクセがあり、誰が見ても「あの顔はやってんね」とバレバレです。
なんとかその場を離れ、誰もいない部屋でCEOはひそかにハードディスクの直し方を検索してみました。
「ハードディスク 物理障害 復旧」
また、うっかりNASのデータがネット上のどこかに流出していないか検索してみましたが、どこにもありません。
しばらくネットを検索してみると、NASのメーカーサイトで、ハードディスクの復旧を受け付けているようでした。
CEOは「高いが背に腹は代えられぬ!」とCEOの決裁権限を発動し、誰にも気づかれないように急いで復旧を依頼しました。
論理障害で修理の場合はデータは全て消されるようですが、物理障害の復旧は13万円~かつデータの復旧が出来なければ費用は掛からないとのことです。
ところが、それから一週間後、残念なことに物理的にハードディスクが破損しており、データ復旧が出来ないとの回答がありました。
「お待たせいたしました!大変残念な結果となってしまいました!」
なんと、障害レベルは物理障害の重度。磁気ヘッド及び磁性体が剥離してしまっており、復旧不能のようです。
物理的処理を出来る状態ではない、との表現に、どれほどの強い衝撃を与えたのか推し量ることが出来ます。
CEOはみんなから「すごく怒られる」と、ドロォと溶けてしまいました。
オリジナルデータを消すなんて、すごく怒られるどころの話ではないと思いますが。
全てのデータが失われたと断罪され、CEOの周りでは「解雇」の声も聞こえてきます。
いよいよ責任追及の動きがCEOの背後に迫ってきたその時です。
諦めずにネット情報やPCをいじっていたCEO。
あれ?これは・・・
なんとCEOがいじっていたPCの「ダウンロード」フォルダ内に「どうぶつ出版社」の新作シリーズのデータが丸ごと残っていたのです!
きっと、容量オーバーになったクラウドストレージから自宅NASサーバに移動させる際に、いったんダウンロードフォルダ内にダウンロードされていたようです。
これはまさに奇跡!13万円も払わずに済みます。
NASに入れていた全てのファイルではないものの、5割程度はデータが残っていたようです。
CEOは大急ぎで、得意げに「ここにデータが残っていたよ!」とノートPCを掴みながら皆のもとへ走っていきました。
周りのみんなはうれしい一方、最後のデータが飛ばないように急いでノートPCを受け取り、あちこちにコピーしました。
今回、重要な絵本のデータが5割程度残っていたから良かったものの、その他の動画データ等は見つかりませんでした。
CEOはみんなにだいぶ怒られましたが、CEOの地位は何とか維持できたようです。
それと「反省したフリが上手い」と褒められ、少しうれしいCEOなのでした。
さて、すっかり反省したCEO。
次の日にはすっかり別のことを考えているようです。
「Oops Landを近所に作って・・・」
今回の教訓を生かし、どうぶつ出版社ではD.BOXとG.DRIVEのクラウドストレージを再度導入し、二度と自宅NASを使うことはありませんでした。
教訓
・大事なデータは堅牢性の高いクラウドを利用せよ
・データの重複を恐れてはいけない
・CEOにデータ管理をさせてはならない
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