昆虫絵本「クヌギ森の夏祭り」は、昆虫たちの楽園「クヌギ森」で毎年夏に開催される、昆虫たちのお祭りのお話です。
夏がやってくるとクヌギ森はとてもにぎやかになります。
今年も虫たちの夏祭りが始まります。
ブーン!とうちゃーく!
一番乗りだ!
クワガタはおいしい
ミツを見つけました。
ブーン!ドシッ!
カブトムシは
「オレなんか先にここ見つけてたし!」
さあ、いつもの夏祭りの始まりです。
「よいしょーっ!!」
カブトムシはクワガタを
投げ飛ばしました。
二人がけんかしている間に、
後から来たカナブンとカメムシは
おいしいミツを舐め始めました。
「お久しぶりですー」とアリとダンゴムシ。
「また、ケンカしてますねー」
とセミの幼虫も気にしないようすです。
セミの幼虫は脱皮しようと、
木に登り始めたとき、
クワガタがカブトを投げ飛ばし、
ようやくケンカがひと段落しました。
いったん休憩して、
セミが出てくるまで待とうか。
みんなでセミの脱皮待ちです。
「遅くなってごめーん!」
セミがようやく脱皮しました。
と、その時です。
カシュッ!
「アッ!」とみんなが
驚く間にセミは
動物に食べられました。
生まれてすぐ食べられてしまったセミ。
昆虫たちはセミの抜け殻をボンヤリと見つめました。
「ごめーん、食べられちゃった!」
と、次のセミの幼虫が出てきました。
みんな、ホッとため息をつきました。
「急いで脱皮するねー!」
と、セミが脱皮を始めました。
と、その時です。
カシュッ!
「アッ!」とみんなが驚く間に
セミはまた別の動物に食べられました。
昆虫たちは
残されたセミの抜け殻をボンヤリと見つめました。
クヨクヨしても仕方ないので、
昆虫たちはセミの抜け殻と一緒に
夏祭りを続けることにしました。
お祭りも終わり、
お腹いっぱいになった虫たちはそれぞれの寝床に帰っていきました。
セミがどうなったか、気になる?
大丈夫、
これからたくさん出てきますよ。
おしまい。
コメント