クヌギ森の巨大ロボット

絵本|クヌギ森の巨大ロボット 表紙
絵本|クヌギ森の巨大ロボット 表紙

ある日、クワガタがクヌギ森を散歩していると、森のスキマからキラキラ光る場所が見えました。

クヌギ森を散歩するクワガタ
クヌギ森を散歩するクワガタ

光るものが気になったクワガタは、近くに降りていきました。
すると、地面に何やら埋まっています。

地面に何かが埋まっているのを見つけたクワガタ
地面に何かが埋まっているのを見つけたクワガタ

光る謎の四角を掘り出したクワガタ、「これは何だ?」

不思議な光るものを掘り出したクワガタ
不思議な光るものを掘り出したクワガタ

「よいしょ、よいしょ」と金色に光る四角いものを運ぶクワガタ。
虫たちが集まる場所へやっていました。
そこではカナブンとカメムシ、ゾウムシが集まっています。
セミも本を読みながら歩いていると・・・

虫たちが集まる広場に向かうクワガタ
虫たちが集まる広場に向かうクワガタ

「アッ‼」と大きな声を出しながら、セミの本から紙が飛び出してきました。
あまり急な出来事に、セミもクワガタもびっくりして尻もちをついてしまいました。

セミの本から突然飛び出してきた紙のパピー
セミの本から突然飛び出してきた紙のパピー

「ボク、パピー、その金印、ボクに押して!」と、紙のパピーはクワガタに言いました。

金印の説明をする紙のパピー
金印の説明をする紙のパピー

パピーは「ここに金印を押して!」と何度も言います。
クワガタは持っていた金印を見ると、そこには複雑な模様が刻まれています。
「ここに、ペトして!」

クワガタの持つ金印を押してほしいパピー
クワガタの持つ金印を押してほしいパピー

よく分からないまま、クワガタはパピーの要求通りに金印を押し付けました。
「ヨイショ」ペトッ

パピーに金印を押すクワガタ
パピーに金印を押すクワガタ

すると、突然あたりが大きく揺れ始め、地面がボコボコと動き始めました。

突然あたりが大きく揺れ始めました
突然あたりが大きく揺れ始めました

揺れはどんどん大きくなり、ついには山のような壁が出来上がりました。それから、クワガタとセミの足元から何かが出てきました。
驚いて飛んで逃げる虫たちもいます。

大きな山の壁が出来上がりました。
大きな山の壁が出来上がりました。

すると、地面から大きなロボットが出てきました。
これにはみんな大興奮!

地中からロボットが出てきた
地中からロボットが出てきた

昆虫たちが巨大ロボットを見上げる中、パピーは言いました。
「これ、ハンコを押した君のもの。昔々の大きなロボット」
「これがあれば、やりたいことは何でもできるよ!」

巨大ロボットを見上げる昆虫たち
巨大ロボットを見上げる昆虫たち

クワガタがロボットに上ると、頭のカプセルが開き、運転席が出てきました。
「ここに乗って動かすことができるから、だいたい何でもできるから」とパピーは使い方を説明しました。

運転席をのぞき込む昆虫たち
運転席をのぞき込む昆虫たち

運転席に乗り込んだクワガタ、「おや、こいつ、動くぞ」
巨大ロボットは、どうやらクワガタの思い通りに動くようです。

試しにロボットを動かしてみるクワガタ
試しにロボットを動かしてみるクワガタ

楽しくなってきたクワガタは昆虫たちを乗せ、ズシーン、ズシーンとクヌギ森の散歩に出かけることにしました。

昆虫たちを乗せて歩く巨大ロボット
昆虫たちを乗せて歩く巨大ロボット

それから、広場に巨大ロボットを止めると、昆虫たちは巨大ロボットに乗っかったり、滑り台にしたりしました。
巨大ロボットは新しい遊び場として、すっかり昆虫たちの人気者になったのです。

広場に置いた巨大ロボットで遊ぶ昆虫たち
広場に置いた巨大ロボットで遊ぶ昆虫たち

昆虫たちが巨大ロボットで遊んでいるその横で、様子を見ている影がひとつ。
楽しそうな様子を見ながら、カブトムシは思いました。
「私もあの大きなロボットに乗ってみたいわ・・・」

巨大ロボットで遊ぶ昆虫たちをコッソリのぞき見るカブトムシ
巨大ロボットで遊ぶ昆虫たちをコッソリのぞき見るカブトムシ

みんなに見えないように、後ろからソロリソロリと巨大ロボットに近づくカブトムシ。
「ヨイショ、ヨイショ」と巨大ロボットの運転席に乗り込みました。

昆虫たちに気づかれないように運転席に乗り込むカブトムシ
昆虫たちに気づかれないように運転席に乗り込むカブトムシ

カブトムシはガチャガチャとレバーを動かしてみると、腕がビュン!と動きました。
「こ、こいつ、動くぞっ!」
カブトムシはうれしくなりました。

巨大ロボットに乗って腕を動かしてみるカブトムシ
巨大ロボットに乗って腕を動かしてみるカブトムシ

カブトムシは巨大ロボットを完全に自分のものにしました。
「これは私のためのロボットなのよっ!」

巨大ロボットを完全に自分のものにしたカブトムシ
巨大ロボットを完全に自分のものにしたカブトムシ

巨大ロボットの強力な力を手に入れたカブトムシは
「このクヌギ森にある全ての蜜はわたしのものになるのよッ!」と大きな声で叫びました。

クヌギ森を支配しようと企むカブトムシ
クヌギ森を支配しようと企むカブトムシ

巨大ロボットを奪われてしまった昆虫たち、だまってみているわけがありません。
「ちょっと、あんた!そのロボットはわたしたちのロボットよ!」
「ちゃんと契約だってしたんだから!」
とクワガタが言いますが、カブトムシは知らん顔。

カブトムシに奪われたロボットを取り返そうとするクワガタ
カブトムシに奪われたロボットを取り返そうとするクワガタ

クワガタたちはロボットと取り戻すため、カブトムシに立ち向かいました。
昆虫合体!トゥ!

昆虫たちが合体する
昆虫たちが合体する

5匹の昆虫たちが合体し、スーパー昆虫として巨大ロボットに立ち向かいます。
「ワー、ワー」

昆虫合体したクワガタたち
昆虫合体したクワガタたち

ガガーン!
カブトムシが乗り込む巨大ロボットが大きなうなり声を上げました。

ガガーン!カブトムシの巨大ロボットが大きなうなり声を上げます。
ガガーン!カブトムシの巨大ロボットが大きなうなり声を上げます。

ところが、強力な力を持つ巨大ロボット・カブトムシには全く歯が立ちません。
昆虫たちはあっさりとやられてしまいました。
ザッ!ザッ‼

あっさりとやられてしまう昆虫合体
あっさりとやられてしまう昆虫合体

「ゲハハハハハッー」
カブトムシは不敵に笑い、言いました。
「すべての蜜を私のものに!」

不敵に笑うカブトムシ
不敵に笑うカブトムシ

カブトムシは笑いながら巨大ロボットと一緒に飛んでいきました。
残された昆虫たちは去り行く巨大ロボットを見つめるしかできませんでした。

飛んでいくカブトムシ
飛んでいくカブトムシ

ズシーン!
クヌギ森の蜜場で蜜をなめている昆虫たちのもとへ、巨大ロボットに乗ったカブトムシがやってきました。

クヌギ森中の蜜場を支配するカブトムシ
クヌギ森中の蜜場を支配するカブトムシ

カブトムシは蜜場の昆虫たちをザッ!ザッ!とどかしました。
昆虫たちはびっくりして逃げ出しました。

蜜場から昆虫たちをどかすカブトムシ
蜜場から昆虫たちをどかすカブトムシ

昆虫たちがいなくなった蜜場でカブトムシはペロペロ、ペロペロ。
「あぁ、蜜場を独り占めできるって、最高の気分だ!」

蜜を独り占めするカブトムシ
蜜を独り占めするカブトムシ

こんな調子で、巨大ロボットの力を手に入れたカブトムシは、クヌギ森中の蜜場という蜜場から虫たちを追い出し、すべてを自分だけのものにしました。
ペロペロペロペロペロペロ・・・

クヌギ森中の蜜場を自分だけのものにしたカブトムシ
クヌギ森中の蜜場を自分だけのものにしたカブトムシ

クヌギ森の蜜場をすべて手に入れたカブトムシ、お腹もいっぱいです。
巨大ロボットから降り、クヌギ森を見渡していると、満たされない気持ちに気づきました。
「なんだろう、心がいっぱいにならない感じがする・・・」

クヌギ森の蜜を支配したのに満たされない気持ちを感じるカブトムシ
クヌギ森の蜜を支配したのに満たされない気持ちを感じるカブトムシ

満たされない気持ちに気が付いたカブトムシは、ソワソワした気持ちになりました。
それから、しばらく考えたカブトムシは巨大ロボットを置いて、どこかへ飛んでいくのでした。

ソワソワした気持ちになったカブトムシはどこかへ飛んでいきます
ソワソワした気持ちになったカブトムシはどこかへ飛んでいきます

さっきまでカブトムシが舐めていた蜜場には、もうすっかりたくさんの昆虫たちが集まっています。
「あのう、みんな・・・」としょんぼりしながら、カブトムシは昆虫たちに話しかけました。

昆虫たちが集まる場所に戻ってきたカブトムシ
昆虫たちが集まる場所に戻ってきたカブトムシ

昆虫たちはカブトムシを取り囲みました。
「あなた、どこかに飛んで行ったら蜜場を独り占めできるわけないでしょう」とクワガタは言いました。
クヌギ森にたくさんある蜜場をずっと独り占めになんか、できないのです。

しょんぼりしたカブトムシを取り囲む昆虫たち
しょんぼりしたカブトムシを取り囲む昆虫たち

すっかり反省したカブトムシは、みんなに言われて気が付きました。
「うん、蜜場を独り占めなんか、する必要がなかったわ。ごめんなさいね」

昆虫たちに謝るカブトムシ
昆虫たちに謝るカブトムシ

「じゃ、あなた、独り占めしたバツとして、来月、黄金の蜜場への立ち入り禁止よッ!」とクワガタはカブトムシに言いました。
「ちょっと!それは違うんじゃないッ!?」とカブトムシは言い返します。

カブトムシに黄金の蜜場の出入り禁止を伝えるクワガタ
カブトムシに黄金の蜜場の出入り禁止を伝えるクワガタ

クワガタとカブトムシがケンカする横で、昆虫たちはみんな、蜜をペロペロ。
「またケンカしているね」
クヌギ森に、またいつものにぎやかさが戻ってきました。

みんなで一緒に蜜をなめる昆虫たち
みんなで一緒に蜜をなめる昆虫たち

おや、カブトムシが乗り捨てた巨大ロボットに、誰か乗り込もうとしています。
あれは、カメムシ?

カブトムシが乗り捨てた巨大ロボットに乗り込もうとするカメムシ
カブトムシが乗り捨てた巨大ロボットに乗り込もうとするカメムシ

強大な力を手に入れたカメムシ、野望はクヌギ森中をカメムシで埋め尽くすこと・・・。

強大な力を手に入れたカメムシ
強大な力を手に入れたカメムシ
クヌギ森の巨大ロボット おしまい
クヌギ森の巨大ロボット おしまい
クヌギ森の巨大ロボットの登場昆虫たち
クヌギ森の巨大ロボットの登場昆虫たち

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